AIにお伺いを立てる時代

エッセイ・コラム

2017年からネットで将棋の中継を見るようになった。
棋士が解説してくれるのだが、その際に将棋ソフトの評価値や予想手を見ながら話す事もある。

「それではぽんぽこさん(将棋ソフトの名前)に訊いてみましょう」
「ひえ~3一金ですか~これは人間には指せない手ですね~」

在位中の名人がこんな事を言ったりする。

ところでチェス、将棋、囲碁といった完全情報ゲームにおいてはもうソフトが人間を凌駕した。
前述の佐藤天彦名人が将棋ソフト「PONANZA」に挑んだ2017年の第2期電王戦は2連敗で人間の敗北が決まった。
将棋より複雑度が上の囲碁の世界でもGoogle傘下のDeepMind社開発のAlphaGoが2017年5月に世界最強と言われた中国の柯潔に3局全勝でホモ・サピエンスを打ち負かした。

こういう知能ゲームのトップクラスの人は当然ではあるがとてつもなく賢い。
そんな賢い人種の人たちが自分の本業に関してAIに尋ねているのである。
冷静に考えれば異様な風景である。
もう自分の意見なんかよりソフトの判断の方が「絶対的に正しい」と認めてる訳です。

ここまで来たらこれがゲームの世界に留まらないであろうことは誰でもわかるだろう。
これはやがて医学の世界にも広がる。

「この人が大腸がんである可能性は78%です」

医者はAIが下した診断を単に患者に伝えるだけの存在になるかもしれない。

「彼が本件の首謀者である確率は89%であり、その罪は殺人罪に当たり、相応しい刑は懲役20年」

裁判もAIが判決を下す時代は遠い未来とは言えない。

車を人間が運転しなくなる時代がもうそこまで来ているように人間がやるよりコンピューターやロボットにやらせる方が上手くできる事の方が圧倒的に多い、いや人間が上回れる事なんてそもそもあるのだろうか?

SFドラマのプロットを考えた際に「人間がAIのペットになる」というコンセプトを思いついたのだが、そんな事は当たり前過ぎて面白くもなんともない時代がそこまでやってきている。

我々はこれから何をやればいいのだろうか?

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